【映像信号の解説 (信号規格別)】
コンポジット
コンポジットビデオ信号は、輝度信号と色信号を合わせて1つの信号として扱う方式です。RCAコネクタやBNCコネクタが主に使用されます。 再生時には合成された信号を映像機器側で再度分離する必要があるために、画質としてはコンポーネント信号やS端子信号などと比べて劣りますが、1本の同軸ケーブルで映像信号の伝送ができ、システム構成やケーブルの取り回しが容易いこと、また現行のアナログTV放送で使われるNTSC/PAL信号がそのまま伝送できるため、現在でも広く利用されています。 なお、よく見られる赤/白/黄3本のRCAコネクタからなるAVケーブルは、それぞれ右チャンネルオーディオ/左チャンネルオーディオ/コンポジットビデオ として映像と音声をまとめて伝送するためのものです。
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S端子
S端子ビデオ信号は、NTSCやPALなどのコンポジットビデオ信号を、あらかじめ輝度信号と色信号の2系統に分離して伝送する方式です。コンポジット信号にくらべ、画質の向上が期待できます。ケーブルには4芯のミニDINコネクタを使用します。 オリジナルのS端子の他、HDTVや画面アスペクト比16:9に対応したS1、S2端子といった拡張規格も定義されていますが、ケーブルは全て同じものが使用可能です。
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コンポーネント
コンポーネントビデオ信号は、ハイビジョンテレビやDVDといった高解像度テレビ映像の品質を維持したまま伝送できるよう、輝度信号、同期信号、色信号をそれぞれ分解して扱う映像信号です。 ケーブルは輝度信号(Y/緑)、同期信号(Pb/青)、色信号(Pr/赤)の3本を1セットにしたRCAコネクタケーブルを使用します。コンポジットビデオに比べてケーブルや機器構成が複雑になりがちですが、高画質な映像を得ることができます。
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D端子
従来、3本のコネクタで接続していたコンポーネントビデオ信号を、1個のコネクタにまとめた日本独自の規格です。ケーブルにはセントロニクスハーフの14ピンコネクタを使用します。 映像信号そのものはコンポーネントビデオと互換性があるため、変換ケーブルを使用すれば簡単にコンポーネントビデオ~D端子の変換が可能ですが、D端子では更に走査線数・走査方式・アスペクト比、コネクタの挿入検知などの識別信号も付加されます。
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アナログRGB(VGA)
パソコンとモニタの接続に一般的に使われている映像信号で、コネクタには主にD-sub HD15pinが使われます(コネクタの名称はミニD-sub15pinや高密度D-sub15pin、またはD-sub15pin(3 WAY)とも呼ばれる場合があります)。 R(赤)、G(緑)、B(青)の各色の情報をアナログ値で表し、画面の解像度に応じて一定の表示タイミングで信号を送ります。 最近では液晶モニタでの表示に適した、デジタル出力が可能なDVIが主流となりつつありますが、DVI-AやDVI-I規格以外はアナログRGB信号とDVI信号には全く互換性はありません。
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DVI
主にパソコンとモニタの接続に使われる映像信号規格です。パソコン側で生成された画面情報を無圧縮のデジタルビデオデータとしてモニタに送るので、劣化がほとんどなく画質の向上が期待できます。 DVIにはデジタル信号専用のDVI-D、アナログRGBと互換性のあるDVI-Aと、それら両方を伝送できるDVI-Iの3種類があります。現在一般的なパソコンのDVI出力は、DVI-Dが主流となっています。 さらにDVI-DとDVI-Iコネクタケーブルは、UXGA(1600×1200)までの帯域を伝送できるシングルリンクと、それ以上の画面解像度に対応したデュアルリンクの2種類があります。 またDVI-Dシングルリンク信号はHDMIとも互換性があり、DVI-Dシングルリンクとの変換ケーブルを使うことでHDMI端子を装備した液晶テレビ等でも利用できます(一部例外もあります)。
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HDMI
HDMIは主にAV家電向けの、フルスペックハイビジョン(フルHD、解像度水平1920×垂直1080画素)での使用を想定し策定された映像信号規格です。非圧縮のデジタル映像と音声を1本のケーブルで伝達でき、著作権保護機能や機器間の連携のための制御信号などにも対応しています。 最新のHDMI1.3ではデータ転送速度が従来の5Gbpsから約2倍の10.2Gbpsに向上し、機能拡張として1440pやDeepColor、120fpsへの対応といった高画質化の他、リップシンク・DolbyTrueHD・DTS-HD対応といった音声技術の充実もはかられています。 また、HDMIケーブルは、伝送試験時の信号品質によってStandard(旧カテゴリー1)とHighSpeed(旧カテゴリー2)に分けられ、1080P・1440P・DeepColor等の高画質環境では、HighSpeed対応ケーブルの使用が推奨されています。
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